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矯正歯科

親知らずがあってもマウスピース矯正できる?抜歯すべきケースとは

親知らずがあるけれどマウスピース矯正はできるのか気になりませんか?

「親知らずがあると抜かなければならないのでは」
「できるだけ早く矯正を終わらせたい」

矯正と親知らずの治療は同時に進められないため、悩んでいる方もいるでしょう。親知らずがあるからといってマウスピース矯正を諦める必要はありません。親知らずでも抜かなくても良いケースと抜かなければならないケースがあります。

この記事では親知らずがある場合のマウスピース矯正について解説します。

  • マウスピース矯正で親知らずの抜歯が必要なケース  
  • マウスピース矯正で親知らずの抜歯が不要なケース 
  • マウスピース矯正で親知らずを抜くタイミング
  • 親知らずの抜歯は保険適用なのか

この記事において親知らずがある場合のマウスピース矯正の治療について理解できます。歯列矯正をしたいけれど、親知らずがあるからと悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

親知らずがあってもマウスピース矯正は可能? 

結論から述べると親知らずがあってもマウスピース矯正は可能です。実はマウスピース矯正をするときに、親知らずは動かしません。親知らずは前歯から数えて8番目の位置にある歯で、お口の中で一番の奥歯にあたります。そのため、マウスピース矯正の対象にはなりません。これは、マウスピース矯正の治療中に親知らずが生えてきた場合も同様です。生えてきた親知らずが矯正治療の妨げにならないのであればわざわざ治療をストップして抜歯しません。

親知らずと聞くと「絶対に抜かなければならない」そんなイメージを持っている方もいるでしょう。しかし、真っ直ぐ生えており、他の歯に影響を与えない親知らずであれば抜く必要はありません。

ただし、すべての方が親知らずを抜歯せずにマウスピース矯正できるわけではありません。マウスピース矯正で親知らずの抜歯が必要なケースと不要なケースについて解説します。

マウスピース矯正で親知らずの抜歯が必要なケース  

マウスピース矯正で親知らずを抜かなければならないケースを4つご紹介します。

  • 歯を動かすためのスペースが必要な場合
  • 他の歯に悪影響を与えている場合
  • 虫歯や歯周病になっている場合
  • 後戻りのリスクがある場合

これらのケースは自分だけでは判断できないため、歯科医院で診察を受ける必要があります。まずは歯科医院を受診して、自身のお口の状態を把握しましょう。

 歯を動かすためのスペースが必要な場合

歯列矯正により歯を動かすとなると動かすためのスペースが必要になります。しかし、お口の中で歯を動かせるスペースには限りがあるため、必要であれば親知らずを抜歯し、スペースをつくる必要がでてきます。親知らずは一番奥に生えているため、抜歯するとその分スペースを確保でき、歯列を整えやすくなります。

歯列矯正をスムーズに進めるため、親知らずの抜歯が必要と判断された場合は応じるようにしましょう。

 他の歯に悪影響を与えている場合

親知らずが曲がって生えてくるケースは少なくありません。斜めに生えてきて、親知らずの端っこだけ見えていたり、なかには横向きで生えてくる方もいるようです。このように曲がって生えてきた場合、他の健康な歯に悪影響を与えてしまいます。曲がって生えてきた親知らずが健康な歯を押し出す形となり、噛み合わせや歯並びに影響を与えます。親知らずが歯並びの原因となっている場合もあるでしょう。

親知らずの影響を受けてしまうのは親知らずの隣の歯だけではありません。親知らずの力は複数の歯に影響を与えてしまうため、歯列矯正を進めていたとしても効果を得られない可能性があります。

親知らずが他の歯に悪影響を与えている場合は抜歯してからマウスピース矯正を始めましょう。

 虫歯や歯周病になっている場合

親知らずはお口の一番奥にある歯です。歯ブラシが届きにくく、メンテナンスが難しいと言われています。他の歯よりも虫歯になりやすいだけでなく、虫歯治療をしたとしても再度虫歯になってしまう可能性も高い歯です。そのため、親知らずが虫歯になっている場合は抜歯するケースがほとんどです。矯正治療中は装置の装着で虫歯になりやすいですし、虫歯になってしまった場合は矯正治療を中断しなければなりません。矯正治療を開始する前に親知らずの虫歯が発見された場合は事前に抜歯してしまうと安心でしょう。

虫歯だけでなく、歯周病になっている場合も抜歯します。放置していると歯茎が腫れてしまったり、出血したりします。また、歯周病はそのままにしていても症状が改善されないため、治療が必ず必要です。歯周病は他の健康な歯にも影響を与えますし、最悪の場合歯が抜けてしまうケースもあるでしょう。親知らずが歯周病であると抜歯を進められた場合はできるだけ応じるようにしましょう。

後戻りのリスクがある場合

上記どれにも該当しない場合でも抜歯を勧められるケースがあります。親知らずが歯茎に埋まっており、生えてきていなくても今後生えてくる可能性があるでしょう。その場合に確認されるのは歯の向きです。先ほど親知らずが曲がって生えてきている場合は抜歯をすべきだと解説しました。これはまだ生えてきていない場合でも同様です。マウスピース矯正をし、治療が終わった後で親知らずが曲がって生えてきてしまうと、歯並びが後戻りしてしまう可能性があります。せっかく歯列矯正で正しい歯並びにしても、後戻りしてしまうと意味がありません。

親知らずがまだ生えてきていないから抜歯が不要なわけではありません。将来を見据えて抜歯を提案される場合もありますので覚えておきましょう。

マウスピース矯正で親知らずの抜歯が不要なケース

ここまでマウスピース矯正で親知らずの抜歯が必要なケースについて解説してきました。ここからは親知らずの抜歯が不要なケースについて3つご紹介します。

  • 歯を動かすためのスペースが確保できる場合
  • まっすぐ生えている場合
  • 埋まっている場合

これらも歯科医院で受診しなければわからないです。抜歯が必要ないと判断された場合はすぐにマウスピース矯正を始められます。しかし、親知らずの虫歯リスクを踏まえて抜歯する判断もできますので歯科医院で相談しましょう。

 歯を動かすためのスペースが確保できる場合

マウスピース矯正で歯並びを整えるためには歯を動かすスペースが必要であると説明しました。顎が小さい場合や、噛み合わせの影響でスペースが確保できない場合は親知らずを抜いてスペースをつくります。

しかし、親知らずを抜かなくてもスペースを確保できる方もいます。その場合は親知らずを抜かなくてもマウスピース矯正で歯並びを改善でき、効果を感じられるでしょう。

なかには、求める歯並びのためにはスペースがあっても親知らずを抜かなければならないケースも存在します。治療計画を歯科医師と相談し、親知らずの抜歯が必要かどうか判断してもらいましょう。

まっすぐ生えている場合

親知らずがまっすぐ生えている場合は抜歯の必要がありません。他の歯に影響を与えないため、そのままマウスピース矯正を実施しても問題ないでしょう。

ただし、虫歯になっていたり、歯周病になっているケースは該当しません。トラブルなく親知らずがまっすぐ生えている場合のみ抜歯が不要と判断されます。また、先ほども説明したように親知らずはメンテナンスが難しく、虫歯リスクが高いです。そのため、事前に抜歯してしまう判断をする方もいます。

他にも、治療計画の兼ね合いで抜歯を提案される場合もあるでしょう。お口の状態は自分自身ではわかりませんのでカウンセリングや精密検査を実施し、歯科医師にリスクがないか説明してもらうと安心です。

埋まっている場合

親知らずの中には先端だけ生えてきていたり、そもそも生えてこない場合もあります。このように親知らずが埋まっている場合は抜歯の必要がないと判断されます。今後も親知らずが成長しないと判断されれば、抜歯しなくても問題がないです。

ただし、親知らずの位置や歯茎の状態、歯を動かすスペースなど別の理由で抜歯を提案される場合もあるでしょう。生えていないから抜歯は絶対に必要ないわけではないのです。

マウスピース矯正で親知らずを抜くタイミング 

マウスピース矯正をするにあたり、親知らずを抜歯すると決まった場合は矯正治療前に抜歯を実施します。矯正治療をスタートする前の検査から、実際にマウスピースを装着するまでには数週間から2か月の期間があきます。その期間中に抜歯をすると良いでしょう。親知らずを抜歯すると腫れてしまう方は多くいます。矯正治療を始める直前よりも、もう少し余裕を持って抜歯すると良いでしょう。

また、まだ生えてきていない場合など、マウスピース矯正をした後に抜歯をするケースもあります。一般的にはマウスピース矯正前に抜歯しますが、人それぞれタイミングが異なる場合があると覚えておきましょう。

親知らずの抜歯は保険適用?       

親知らずの抜歯において、保険が適用されるかどうかは人それぞれ異なります。親知らずが虫歯になっている、歯周病になっているなど治療を目的として抜歯する場合は保険が適用されます。一方で歯を動かすスペースを作るためなどマウスピース矯正のための抜歯となると保険適用外となるでしょう。

費用としては保険適用された場合は親知らず1本あたり2000〜7000円。保険適用外であれば15000円〜30000万円です。これはあくまでも相場で、歯科医院によって異なりますので注意しましょう。

歯科医院によっては麻酔代やその後の通院でもっと費用がかかるケースもあります。抜歯する前にその歯科医院での費用感を相談しておくと安心です。

 まとめ        

マウスピース矯正で、親知らずの抜歯が必要なのかどうか解説してきました。親知らずがあってもマウスピース矯正は可能ですが、抜歯が必要と判断された場合は抜歯してからの治療開始となります。

抜歯が必要かどうかは歯科医院で検査しなければわかりません。マウスピース矯正の治療計画と合わせて相談していきましょう。

抜歯するタイミングとしては矯正治療を始める前です。検査を始める前にはある程度の期間が発生しますので、余裕をもって抜歯をしましょう。

納得のいく治療ができるよう、不安点や疑問点は歯科医院とよく相談すると良いでしょう。