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矯正歯科

歯ぎしりの癖があってもマウスピース矯正はできる?

歯ぎしりの癖がある場合、マウスピース矯正ができないのでは?と気になってはいませんか?歯ぎしりの影響でマウスピースが壊れたり、歯列矯正に影響を与えるようであれば心配でマウスピース矯正に踏み切れないですよね。

この記事では歯ぎしりの癖がマウスピース矯正に与える影響について解説します。

  • マウスピース矯正中に歯ぎしりをする影響 
  • マウスピースが破損したらどうするのか
  • 歯ぎしりを減らすための対策 

歯ぎしりと歯列矯正、双方の悩みを抱えている方にこれら3つのトピックについて解説します。これからマウスピース矯正をしようと検討している方はぜひ参考にしてください。

マウスピース矯正中に歯ぎしりをする影響 

歯ぎしりの癖がマウスピース矯正に与える影響は3つあります。

  • マウスピースの破損・変形
  • 強い痛みが出る
  • 噛み合わせが悪くなる

マウスピースそのものに影響を与えるのはもちろん、お口の中にも影響を与える可能性があります。せっかく歯列矯正をしているにも関わらず、噛み合わせに影響を与える場合もあるため注意が必要だと言えるでしょう。
一つ一つ詳しく解説します。

マウスピースの破損・変形

マウスピースには歯列矯正用のものと、歯ぎしり用のものが存在します。どちらも同じマウスピースですが、役割が異なります。歯列矯正用のマウスピースは薄い素材でできており、強い力に耐えられません。そのため、歯ぎしりの影響でマウスピースが破損したり、変形したりする可能性があります。

起きているときに歯ぎしりを強くしてしまう方は多くはいないでしょう。歯ぎしりの癖で悩んでいる方の多くは寝ているときの歯ぎしりです。寝ているときは力の加減ができませんので、100kg近くの力で食いしばるケースもあるようです。

多少の歯ぎしりであれば問題はないですが、歯がすり減るほどの歯ぎしりをしてしまう方は注意が必要です。

強い痛みが出る

歯列矯正は歯を少しずつ動かして、目標としている歯並びに近づけていきます。歯列矯正を始めたときに痛みを感じる方も少なくありません。力をかけながら歯を動かしていくため、歯列矯正の治療中は歯だけでなく歯茎も敏感になっています。

そんな歯列矯正の治療中に強い力で歯ぎしりをすると強い痛みを感じてしまう可能性があります。歯列矯正中の痛みとは異なり、強い痛みですので我慢できずに歯列矯正の中断を選択する場合もあるでしょう。

噛み合わせが悪くなる

歯列矯正用のマウスピースは薄く作られており、上下それぞれ0.5mmほどです。しかし、上下どちらも装着するため、実際には1mmの厚みを感じるでしょう。たかが1mmと思うかもしれませんが、お口の中での1mmはかなりの厚さに感じます。

そんなマウスピースを装着したまま歯ぎしりをしてしまうと、奥歯が沈み込んでしまう可能性があります。これを奥歯の圧下と言い、歯そのものが歯茎の中に埋まっていく様子を指す言葉です。奥歯の圧下が起きてしまうと、お口全体の噛み合わせが悪くなります。

また、歯ぎしりの影響で計画通りに歯が動いてくれず、歯列矯正の治療期間が長引いてしまったり、効果を感じられない場合もあるでしょう。歯列矯正をしているにも関わらず、歯並びが改善しない状態になるのです。

マウスピースが破損したらどうする? 

ここまで、歯ぎしりがマウスピース矯正に与える影響について解説してきました。では、実際にマウスピースが歯列矯正の治療中に破損してしまった場合、どうすれば良いのでしょうか?

マウスピースの破損に気付いた場合はすぐに歯科医院を受診し、修理もしくは作り直しをする必要があります。破損したままのマウスピースでは歯列矯正の効果は得られませんし、お口の中を怪我してしまう可能性もあります。

軽度な破損であればその場で修理し、使用し続けることも可能です。しかし、大きく割れてしまった場合などは作り直しになるでしょう。作り直しには時間がかかりますので、その期間は歯列矯正の治療をストップしなければなりません。計画通りの治療は進められなくなります。

また、破損した場合に自身で修理しようとするのはやめましょう。プロの力であれば修理可能なものも、無理に素人が修理しようとして作り直しになるケースもあります。接着剤でくっつけるなど、自身で手を加えるのはすべきではありません。

歯ぎしりを減らすための対策 

ここまでで、歯ぎしりがマウスピース矯正に与える影響が大きいものであるとわかってきました。歯ぎしりの癖を直したいと思う方も多いでしょう。しかし、寝ているときの歯ぎしりは自分では意識してやめられません。

そこで歯ぎしりを減らすための対策を4つご紹介します。

  • マッサージをする
  • ストレスを溜めない
  •  意識的にやめる
  • 睡眠の質を高める

すぐに改善できるものではないですが、少しずつ歯ぎしりを減らすことはできます。まずは自分でできるところから意識してみましょう。歯ぎしりの改善はマウスピース矯正のためだけでなく、健康なお口にも関係してくる問題です。

マッサージをする

マッサージは歯ぎしりの対策に効果的な方法です。お口の周りの筋肉は日常の食事や会話でこりやすくなっています。お口周りをほぐしてあげると歯ぎしりを抑える効果が期待できます。

マッサージする箇所としては耳の上からこめかみにかけての側頭筋と呼ばれる場所と、噛み締めた際に盛り上がりを感じる頬の筋肉です。ここを円を描くように優しくマッサージしましょう。また、顎の筋肉のマッサージも効果的です。マッサージの方法に関しては歯科医院でも指導してもらえますので相談すると良いでしょう。

ストレスを溜めない

ストレスが歯ぎしりと関係していることをご存じでしょうか?日常生活で感じているストレスを軽減する動きをしてみましょう。

ストレスの根本となっているものを解消するのが一番ですが、難しい場合も多いです。まずは脳や身体がリラックスできる状態をつくってみましょう。

リラックス方法は人それぞれ異なります。散歩をしたり、アロマを焚いたり、自分がリラックスできるものであれば大丈夫です。ストレスを感じると暴飲暴食をしてしまう方もいますが、注意が必要です。栄養バランスを考えた食事をすれば身体も喜びます。軽い運動もストレス解消には効果的ですので実践してみましょう。

意識的にやめる

寝ているときの歯ぎしりは意識してやめるのは難しいです。そこで、日中の歯ぎしりや食いしばりから意識してやめてみましょう。上の歯と下の歯が接触しないよう、まずは意識をしてみましょう。唇は閉じているけれど、上下の歯は離れている状態を作ります。

すぐにはやめられないかもしれませんが、最初は気づいたときにやめるで大丈夫です。意識して続けているうちに習慣化し、癖がなくなります。

また、頰杖も歯ぎしりの原因となっている場合があります。日中無意識に頬杖をついている方はやめるようにしてみましょう。

睡眠の質を高める

睡眠障害が原因となって歯ぎしりをしている方もいます。歯ぎしりが睡眠時無呼吸症候群の症状であるケースです。この場合は、睡眠の専門医に相談し、治療を受けるようにしましょう。

歯ぎしりの影響で睡眠の質が低下していたり、反対に睡眠の質の低さで歯ぎしりをしているケースもあります。これらの悪循環を断ち切るためにも、まずは睡眠の質をあげるような行動をとりましょう。

湯船につかる、読書、温かい飲み物、寝る前のマッサージなどはリラックス効果があり、良い眠りに導いてくれます。一方でスマホやテレビの光は睡眠の質を低下させると言われています。

まずはこういった日常の中でできることから始めてみましょう。

まとめ   

歯ぎしりの癖がある方でもマウスピース矯正の実施は可能です。しかし、歯ぎしりの影響でマウスピースが破損したり、治療計画通りに進まなかったりします。マウスピースが破損した場合は修理もしくは作り直しになりますが、作り直しになった場合はその分治療がストップします。このように歯ぎしりの癖とマウスピース矯正は相性がよくありません。

歯ぎしりはすぐに改善できる癖ではありませんが、日常の中で意識して減らすことはできます。マッサージやストレス解消、睡眠の質などすぐにできるものがありますので実践してみましょう。

まずは歯科医院にて相談し、安心した状態で矯正治療を進められるようにしましょう。