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インプラントができない人の特徴7選!対処法も解説
インプラント治療は、失った歯を補う方法の中でも人気の治療法です。しかし、インプラントは希望すれば誰でもできるわけではありません。外科手術を伴うため、成功率を左右する健康状態の場合は治療を断られることもあります。
今回は、インプラント治療ができない人の特徴とそれぞれの対処法を解説します。インプラントを検討中の方は、事前に当てはまっているものがないか確認してみてください。
インプラントができない人
以下のケースに当てはまる人は、インプラント治療ができません。
- 18歳以下の人
- 骨密度が低い人
- 虫歯・歯周病がある人
- 糖尿病の人
- 人工透析を受けている人
- 妊娠中の人
- ヘビースモーカーの人
18歳以下の人
顎の骨の成長が完了していないため、インプラントを埋入すると、将来的に骨の成長に伴ってインプラントの位置がずれる可能性があります。そのため、18歳以下の方へのインプラント治療は原則的に行われません。
<対処法>
18歳以下の方は、インプラント以外の治療方法を検討します。例えば、ブリッジや可撤性義歯などが適用可能な場合があります。顎の成長が完了するまで待ってから、インプラント治療を検討することも可能です。
骨密度が低い人
インプラントを支える顎の骨の密度が低い場合、骨との結合を十分に得られない可能性があります。顎の骨が十分にない状態でインプラントを埋め込むと、抜けたり折れたりするトラブルが発生してしまいます。そのため、重度の骨粗鬆症を患っている方はインプラントができません。
<対処法>
骨密度が低い場合、骨移植や骨増生術を行うことで、インプラント治療が可能になることがあります。後に説明するソケットリフト、サイナスリフト、GBR(骨組織誘導再生法)などの手術を併用することで、骨密度の低い部位にもインプラント治療を適用できる場合があります。
虫歯・歯周病がある人
虫歯や歯周病が進行している状態では、インプラント治療を行うことができません。これらの口腔内の感染症は、インプラントの失敗や合併症のリスクを高めるためです。インプラント治療前に、虫歯や歯周病の治療を完了させる必要があります。
<対処法>
インプラント治療前に、虫歯や歯周病の治療を徹底的に行います。虫歯の治療では、虫歯を除去し、適切な修復処置を行います。歯周病の治療では、歯石除去やルートプレーニングなどの処置を行い、口腔内の炎症を取り除きます。口腔内の健康状態が改善された後、インプラント治療を開始します。
糖尿病の人
糖尿病は、創傷治癒を遅らせ、感染のリスクを高めます。これは、インプラント手術の成功率に影響を与える可能性があります。血糖値が安定していない場合、インプラント治療は慎重な判断が必要です。
<対処法>
糖尿病の方は、血糖値をコントロールする必要があります。医師と連携し、適切な糖尿病治療を行い、血糖値を安定させます。血糖値が安定した状態で、インプラント治療を検討しましょう。また、インプラント手術後は、感染予防のために抗菌薬の投与が行われることがあります。
人工透析を受けている人
人工透析を受けている患者さんは、血液凝固を抑制する抗凝血薬やステロイド薬を服用していることが多いです。これらの薬剤を服用している状態でインプラント治療を行うと、術中や術後の出血リスクが高まったり、感染症を引き起こしたりする可能性があります。
また、透析患者さんは、全身的な合併症のリスクが高いため、原則インプラント治療はできません。
<対処法>
人工透析を受けている人は、入れ歯やブリッジなど、インプラント以外の治療方法を選択してください。
軽度の腎疾患であればインプラント治療が可能な場合もあるため、まずは担当医に相談してみましょう。
妊娠中の人
妊娠中は、ホルモンバランスの変化により歯肉が敏感になり、歯肉炎を起こしやすくなります。また、妊娠中のX線撮影は胎児への影響を考慮する必要があるため、インプラント治療は控えたほうが安全です。
<対処法>
妊娠中は、インプラント治療を延期し、出産後に治療を検討しましょう。妊娠中は、口腔内の清掃を徹底し、歯肉炎の予防に努めます。また、妊娠中の歯科治療では、X線撮影を避けるなど、胎児への影響を考慮した治療計画を立てる必要があります。
ヘビースモーカーの人
喫煙は、インプラント治療の成功率を下げる要因の一つです。喫煙は血流を悪化させ、創傷治癒を遅らせます。また、喫煙者はインプラント周囲炎のリスクが高いことが知られています。
<対処法>
インプラント治療を受けるのであれば、禁煙が治療成功の第一歩です。禁煙により、インプラント治療の成功率が向上し、合併症のリスクを減らすことができます。禁煙が難しい場合は、医師や歯科医師と相談し、禁煙補助薬の使用や禁煙外来の受診を検討しましょう。
骨が薄くてインプラントができない人向けの治療法
骨密度が低くインプラントができない人は、骨造成という骨を増やすための治療を行うことでインプラント治療が可能になる場合があります。ここでは、骨造成の代表的な例を4つ紹介します。
ソケットリフト
ソケットリフトは、抜歯後の歯槽骨の高さが不足している場合に行われる手術です。抜歯窩(歯を抜いた後の骨のくぼみ)を利用して、骨補填材を填入し、インプラントを埋入するための十分な骨の高さを確保します。このソケットリフトは、インプラントの埋入と同時にできるため、治療期間が短いことで知られています。
サイナスリフト
上顎臼歯部では、上顎洞が存在するため、インプラントを埋入するための十分な骨の高さが不足していることがあります。サイナスリフトは、上顎洞の底部を持ち上げ、骨補填材を填入することで、インプラントを埋入するための骨の高さを確保する手術です。サイナスリフトはインプラントの埋入と別に行う必要があるため、ソケットリフトよりも時間がかかります。
GBR(骨組織誘導再生法)
GBRは、インプラント埋入部位の骨幅が不足している場合に用いられる手術です。骨欠損部位に骨補填材を填入し、吸収性または非吸収性のメンブレンで覆うことで、骨の再生を誘導します。
ソケットプリザベーション
ソケットプリザベーションは、抜歯後の歯槽骨の吸収を最小限に抑える手術です。抜歯窩に骨補填材を填入し、歯肉で覆うことで、抜歯後の歯槽骨の変化を最小限に抑えます。これにより、将来的にインプラント治療を行う際の骨量を維持することができます。
インプラント以外の治療法も
インプラントの治療が難しいと判断された場合は、インプラント以外の治療法もあります。失った歯を補う治療法としては、入れ歯やブリッジ、差し歯などの選択肢があります。それぞれのメリットとデメリットを理解した上で、自分のニーズに一番あった方法を選びましょう。
まとめ
インプラント治療は外科手術が必要になるため、他の歯科治療法に比べ条件が多くなっています。今回ご紹介した特徴のいずれかに当てはまる人は、条件をクリアするための対処をするか、別の治療法を検討しましょう。ただし、治療ができるかできないかの判断は最終的に歯科医師が判断を下すため、まずは一度歯科医院に相談することをおすすめします。
当院では、患者様に寄り添った治療を提供しています。インプラントをご検討中の方は、お気軽にご相談ください。